日時 2022/05/09(月)-15(日) 11:00ー17:00
場所 Art gallery OWL (JR京浜東北線, 石川町駅徒歩5分)

内容

 来る5月9日(月曜日)から15日(日曜日)まで、「若手生態学者が見ている世界-研究者支援写真展(2)」を横浜山手イタリア庭園公園前のアート・ギャラリー アウルで開催します。これは昨年冬に開催された同展覧会の第2弾となります。
 この写真展は、生態学や分類学など生物を対象とする若手研究者がフィールド調査中に撮った写真を展示・販売し、彼らの研究を一般の人々に広く知ってもらうと同時に、写真の売上を寄付することで、研究費の捻出や、気候の急激な変動、コロナ等で苦労している若手研究者を支援するために開催されます。
 今回は昆虫や蜘蛛などの研究者の写真約100点と、それぞれの研究内容をわかり易く解説したパネルが展示されます。好評だった第一弾は将来研究者を目指す高校生や、親子連れなど7日間で約130名以上の入場者があり,日本鳥学会の鳥学通信で取り上げられました.また朝日新聞でも掲載されました.ぜひ多くの皆さんに観ていただきたいと願っております.是非お越しください.
(日本鳥学会 鳥学通信:http://ornithology-japan.sblo.jp/article/189444639.html  朝日新聞:https://www.asahi.com/articles/DA3S15214846.html

<詳細>
 生物多様性や、SDGsが叫ばれている中、その根幹となる基礎研究に地道に勤しむ若手研究者の研究内容は一般の人々の目に触れることはほとんどありません。元々、フィールド調査は天候などにも左右され、苦労の連続ですが、コロナによって他県に出かけることも難しく、研究が進みにくいという状況にも直面していました。そのような若手研究者とその研究内容への理解を得ると同時に、展示した写真の売上(写真の印刷代など実費を除く)を寄付することで、研究支援とすることを目的とした写真展です。生態学者や分類学者と呼ばれる人々がどのような最新の研究に取り組んでいるのかを紹介しつつ、研究のために撮影した写真や、フィールドワーク中に遭遇した不思議な光景等の数々を展示します。普段なかなか目にすることのできない「研究者」や、「研究」について知ってもらうきっかけとなりましたら幸いです。

 初回は鳥類、小動物が中心でしたが、第2弾となる今回は「節足動物」をテーマに昆虫や蜘蛛などを研究している5人の若手研究者が参加します。また初の試みとして、今回は参加研究者が発見した、まだ名前も付けられていない新種のハチの写真などを参考にして切り絵作家:黒猫モモが作成した「研究者支援アート」も展示されます。是非多くの方にお越しいただければと思っています。また実費を差し引いた売上は研究費として研究者に寄付されます。概要及び、参加アーティストは下記の通りです。

参加研究者一覧(五十音順) と研究内容

網野 海    東京大学応用昆虫学研究室             
[AIを用いたチョウ翅模様の擬態効果の解析]
チョウチョはどうやって身を守るのか!?AIの視点から明らかに!! ⇦詳細

遠藤 鴻明   東北大学大学院生命科学研究科
[クモ米の実用化に向けた保全的生物防除研究] 
田んぼを守るクモを増やして,農薬の少ないお米作りを実現!!⇦詳細

大崎 遥花   京都大学昆虫生態学研究室 
[生物初のオスメス両性による共食いの適応的意義と進化機構の解明]  
ゴキブリ夫婦の奇妙な行動を紐解け!食べちゃいたいほど好きなんだもの? ⇦詳細

河野 太祐   九州大学総合研究博物館
[ナガコバチ科をはじめとした寄生蜂の分類学的研究] ―新種がザクザク見つかる!― 世界で最も華麗で優雅な(研究者の主観が入ります)寄生蜂、ナガコバチ科を日本人で初めて研究!⇦詳細

松井 風河   北海道大学多様性生物学講座 
[マザトウムシのオスの2型の形成要因の解明]
同じ種類のオスでも姿が違うザトウムシの謎とは…!?⇦詳細

参加アーティスト:黒猫モモ氏 

 「カッコイイものを切り絵の手法で残していきたい」という想いで作品を生み出し続けている切り絵作家。京都の伝統工芸師(故)和田則昭氏に師事し,「型紙彫刻」を始める。より一層切り絵に専念すべく2020年に上京。切り絵ライブなどの新しい表現方法に挑戦しながら活動を続けている。
公式HP ⇦click

 

研究者支援アート第一弾

オオナガコバチ属の一種 :河野さん撮影
タイトル「放ち」2022 黒猫モモ作

企画・運営:慶應義塾大学所属 清水拓海

 慶應義塾大学に所属し,猛禽類の生態について研究を進める傍らで日本における研究者の待遇や認知度に疑問を持ち,研究者について知ってもらうことを目的として研究者支援写真展の主催を行なっている.

協力: アート・ギャラリー アウル